中底の交換されたアイリッシュセッター
中底交換は作業は簡単ですが、作業内容は非常に繊細で気を使う加工になります。
平らな板に足を入れているような感覚で履きづらいという事で今回はもう一度中底の交換とオールソールに至りました。
別の修理屋さんで一度加工済みの中底は作業は問題無いですが、歩くと言う要素の作業内容はもう一味欲しいところです。
レッドウィング vibram705 オールソール修理 リウェルト リブ中底交換
ぱっと見違和感無いのですが若干ソールのフラットのようで抑揚が弱い感じがします。中底とは足の裏に有る板で足に直接影響のある素材です。通常原型を使いパターンを取りますが交換されていた為パターンが取れないので原型をイメージして作り直します。
新しい中底を加工して癖付けしている所です。この中底にアッパーとウェルト ソールが取り付けられます。中底の素材はレザーでグッドイヤー用に厚みを漉いた革を使います。この辺りは靴製作と同じ工程ですね。
濡らした中底をゴムチューブでグルグル巻きにしてより木型に這わすように加工します。日本製のチューブは質が良く伸びないので、変な話ですが逆に質の悪いゴムチューブの方が扱いやすいです。
左が交換されていた元々の中底 サイズを切り出しで作ってはいますが銀面がそのままの為に足あたりが硬く、カーブが無いので真っ平らでした。足の裏は平らでは無いので疲れてしまいます。フローリングを靴下で歩いている感じに近いですね。
右が今回新しく作った中底 カーブの具合がよく癖付けされていて足の流れに沿っています。
中底に白いリブを付けてウェルトを手縫いで取り付ける前です。この状態から木型を使い作業しているのでより木型なりの抑揚を反映することができます。
こちらはソールを取り付け着色前で生地仕上げの状態です。ウエスコなどはこの状態で出荷していますね。
落ち着きのある モカブラウンにて仕上げました。
サイズ感と履き具合にシビアな修理でしたが問題なくお渡し出来ました。靴製作が生きる修理となります。
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